相談支援は基本一人仕事だ。自分の担当した人と関係を作り、困ったことを解決できるように一緒に考え、他の支援機関とチームを作り、何とか進んでいる感を出す。
だが、同じ部署にいるその他数名の相談員と温度差があるのは良くないという暗黙のルールがある(場合がある)。その時に物差しになるのが重鎮職員だ。同じ部署で”ある程度足並みをそろえましょう”と会議をして方針を決めても、結局その人のお眼鏡にかなわなければダメの烙印を押されてしまう。(ことがあることもある。)
恐ろしいのは、利用者さんと相談員の関係性や相談員のニーズのキャッチの切り取り方で進め方や進めるスピードが全く変わってくることだ。パッと利用者さんのニーズを拾いあげてぐんぐん進める人がいれば、じっくり話を聞いてその人のタイミングで何かを提案する人もいる。正解はない。しいて言えば利用者さんやそのご家族の満足が物差しになると私は思っている。
ぐんぐん進められて置いてけぼりになってしまった人はじっくりやってほしいと思うだろうし、あまり進まないと早くしてほしいなと思うかもしれない。ここで難しいのは、本当に望むことを利用者さんが言語化することが難しい場合が多いという点だ。我々は主に知的障害がある方を対象にしており、表出している裏にある気持ちを汲み取っていく作業が必要になる。それは実は障害があってもなくても同じなのだが。自分がよその人に助けてあげますから困っていることを言ってくださいと言われて、はいかくかくしかじかと答えられるだろうか。
まして言語化が難しい方々である。そこに対しては丁寧に汲んでいかないとあとから利用者さんがダメージを追うことになりかねない。だから複数でアセスメントをとり、支援ポイントをしぼってゆく。
そこで、声の大きい重鎮職員ががんがん見切り発車で進めてゆく人で、自分がじっくり進めてゆく人だった場合、意見が合わなくなる。
さてどうなるのか。何が正解なのか誰もわからないまま、利用者さんはどこに向かうのだろう。
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